形成外科
巻き爪・陥入爪の治療
深爪や爪のカーブによって皮膚へ食い込み、痛みや炎症を起こすことがあります。状況に応じて、セルフケア・保険診療・自費矯正から最適な方法をご提案します。
まずは症状の確認から
痛みの原因は爪の切り方・靴のサイズ・体重バランスなどさまざまです。
- 軽度の場合はテーピングなどのセルフケアで改善を目指します。
- しつこく傷ができたり、痛みが非常に強い場合は手術も適応になります。
- まれに、爪が指に対して大きすぎる人もおられ、積極的に爪幅を狭くする手術が適応になります。
- 爪の形状そのものを矯正するアプローチをとる場合もあります。
ご自宅でできるセルフケア
テーピング
爪の側面にテープを貼り、皮膚を外側へ引いて食い込みを減らす方法です。一度覚えてしまうと難しくありません。
コットン法
爪と皮膚の間にコットンを挟み込んで、皮膚に食い込まないようにする治療法です。こちらも、最初こそ痛みがありますが、改善するにしたがって痛みがマシになり、覚えてしまうと再発した時にも実践しやすい方法です。傷になっている場合は、先に一度みせていただいたほうがよいかと思います。
傷や腫れが強い場合はセルフケアで悪化することもあります。自己判断で続けず受診してください。
保険診療での治療
ガター法
- 局所麻酔後、シリコンチューブを爪と皮膚の間に挿入して固定します。
- 炎症や傷を落ち着かせることを目的とした一時的な治療です。
- 施術後は爪が伸びるまでテーピングなどの補助ケアが必要になります。
フェノール法
- 巻いている爪の端を切除し、フェノールという薬品で処理して、爪の横が生えてこないように処理する方法です。
- 爪の幅が広い方や重症な方で適応になります。
- 術後2〜3週間の軟膏処置が必要になります。
いずれの治療も、受診当日に行う場合があります。
アクリル人工爪
- 爪の長さを確保するため、アクリル素材を装着する場合があります。
- あくまで補助的な役割になり、矯正目的の人工爪は行っていません。
術後のポイント
- 再発予防のため、爪の切り方や再発時の対処法をお伝えします。
- スポーツ復帰時期や入浴制限は個別にご案内します。
自費診療での矯正
巻き爪マイスター®(自費)
ばね式の矯正器具を1〜2か月装着し、徐々に爪のカーブを改善します。爪が短すぎる・割れやすい場合は適応外です。
費用の目安
巻き爪マイスター®:1 指 ¥5,000、2指 ¥9,000
(オプション)リネイルゲル:¥3,000
※リネイルゲルは、特に重症の巻き爪の方や、短期間での治療をご希望される方へご提案する場合があります。
リスク・副作用
- 治療後に痛み・腫れ・出血を伴う場合があります。
- 細菌感染を起こすと治癒が遅れます。発赤や膿が出たら速やかに受診してください。
- 矯正後も深爪や圧迫が続くと再発することがあります。
持病や服薬状況によって選択できる治療が異なります。受診時に必ずお申し出ください。