保険診療
外傷性刺青のレーザー治療
転倒でアスファルト粉が入り込んだ跡や、爆竹・火薬による着色などをピコレーザーで細かく破砕し、徐々に薄くしていきます。
外傷性刺青とは
- ケガで皮膚の深い部分に砂やアスファルト粉が入り込むと、黒〜青っぽい色味が残ることがあります。
- 「ケガによる刺青」とも呼ばれ、時間がたっても自然には薄くなりにくいケースが多いです。
- 傷跡の盛り上がりや異物の深さによって治療方法が変わるため、診察で状態を丁寧に確認します。
交通事故や転倒で皮膚に入り込んだアスファルト粉・砂・火薬片などが真皮に残り、黒っぽい/青っぽい色味として見える状態を指します。ケガによる刺青とも呼ばれ、放置しても変化が乏しい場合はレーザー治療で少しずつ除去していきます。
併発しやすい症状
- 瘢痕の赤み:色素レーザー(V-beam)
- 盛り上がり:ステロイド注射やシリコンゲル外用
- 外傷性刺青と同時の傷跡:形成外科的切除
瘢痕治療を並行することで仕上がりが整いやすくなります。診察時に最適な組み合わせをご提案します。
治療開始のタイミング
- 怪我直後は炎症後色素沈着が混在するため、すぐにレーザーを当てず経過を観察します。
- 膝などの擦過傷で黒ずみが残っても、炎症後色素沈着であれば数か月〜1年で自然に薄くなることがあります。
- 色が定着し自然軽快が見られない、または瘢痕が硬く残ってきたタイミングでレーザーや形成外科的治療を検討します。
炎症後色素沈着が残っている段階でレーザーを当てると、かえって色が濃くなることがあります。色が落ち着き、自然に軽快する兆しがないかを数か月単位で確認したうえで照射計画を立てます。
治療前に確認すること
- 通学・部活動などに支障が出ないスケジュールか。
- 傷跡の盛り上がりや痛みが残っていないか。
- 自宅での保湿やテープ保護を継続できる環境か。
治療回数とレーザー照射
- ピコレーザーはナノ秒 Q スイッチレーザーより異物を細かく破砕でき、治療回数を抑えやすいとされています。
- 浅い位置の外傷性刺青では 1 回で大きく薄くなることもありますが、通常は 2〜5 回 程度の照射を想定します。
- 照射後は軟膏とテープで保護し、こすれや紫外線を避けながら経過を見守ります。
治療間隔
皮膚の回復と色素の排出を待つため、3 か月ほど間隔をあけて次の照射を行います。途中で十分に薄くなった場合はそこで治療を終了します。
瘢痕が目立つときはレーザー照射の合間に瘢痕治療を組み合わせ、仕上がりを整えていきます。
リスク・副作用
- 照射直後の赤み・水ぶくれ・かさぶた形成
- 炎症後色素沈着や色抜け
- 瘢痕の悪化やケロイド体質での盛り上がり
異常を感じたときは早めにご連絡ください。必要に応じて軟膏や内服薬を処方します。